柿収穫竿　はさみご

　柿の収穫用具です。1970年ごろ、秋の夕暮れ時、川崎市柿生・町田市方面(「禅寺丸」発祥の地)で帰りの路線バスを待っていました。近くの農家でカキの大木から高所の果実を竿で次々と容易に収穫しているのを見ていました。　里山の風物詩に相応しい風景でした。ネットで名称と作り方について質問し、愛媛県の方から、「はさみご」との呼び方を知りました。末尾の「ご」は、はしごに対応しているかも、との見方を添えて。その後、転居し、最近は高枝切り鋏と図④を使っています。

作り方　真竹の上端に、なたで割れ目を入れ、竹の小枝を挟んで開き、針金できつく固定します。上端は、枝が入りやすいように、削って口を広くしておきます(①～③)。

長所　結果的に、衰弱した結果枝を折り取るので、剪定を同時に行っていることになります。高枝切り鋏は、表裏を間違えると果実が落下するので、気を遣います。その点、楽に作業できるので、助かります。

太い結果枝専用に布袋　子供の虫取り網の形を応用。直径4mmほどの針金をこけし型に曲げて、頭部分の輪を直径10cmほどにし、布袋に通してから、真竹の先に結わえつけます(④)。高枝切り鋏では無理な太い結果枝には便利です。細い結果枝では、果実が逃げます。


①果実の手前で結果枝を持ち上げるように挟む。	②竹の小枝を挟んだ上端。ひねると結果枝が折れ、竿の先に果実が着いてくる。ポキッと折り取れたときの感触が楽しい。	③竿先が枝を咥え易いように、削って広くしてある上端	④太い結果枝用には竿先に布袋を付けて。色鋼線の手前は折り返し、下の節まで針金で引っ張ってある。

真竹の竹竿入手が、都会では困難になっています。しかし・・・
　商店街では年末に、門松に細く長い竹を添えて飾る所が多いです。この竹が、もらえて使いやすいのです。
　たいてい、とび職の人が設置・撤去を請け負っています。
　商店で、どこに頼んでいるかを尋ねます。知らないと言われたら、商店会の役員を教えてもらって尋ねます。
　請負人に電話して約束し、1月6日夜にもらいに行きます。
枝葉は、格好の霜よけになります。